「ほほう、いよいよもって非凡だね。……すると、ここにいるのは僕自身なのか、それとも僕の幽霊なのか。僕の不可分性インディヴィジビリテというものは、すこぶる信用の置けぬことになった」
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)