ひとり三淵大和守みぶちやまとのかみは、子飼の郎党六十余人と共に、最後まで屈せずに戦った。ひとりも逃げず、ひとりも降伏せず、彼以下の六十余体は、武士のはなとなって、きれいに枕をならべて討死した。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)