高市連黒人たけちのむらじくろひとの歌だが、天平十九年に三国真人五百国みくにのまひといおくにという者が誦し伝えたのを、越中にいた家持が録しとどめたもので、「婦負の野」は、和名鈔わみょうしょうには禰比ネヒとあり
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)