“いつさいがつさい”の漢字の書き方と例文
語句割合
一切合財100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いまに、自動車も俺の名儀で買ふ。すべて、一切合財いつさいがつさいが任されてゐるンで、教祖の首根ッ子は、俺がおさへてゐるやうなものさ……」
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
……一切合財いつさいがつさい興行物はせんこと。店の名義は戻つてから身持を見定め、自分の借銭のかたを付けてから、切り替へること。それから、うあつても家出をせぬといふ一札を書くこと。
鱧の皮 (新字旧仮名) / 上司小剣(著)
葬式が済んでしまふと、富岡は重荷を降したやうにつとした。邦子の蒲団や身のまはりのものは、二束三文に売り払つて、死者の思ひ出を、一切合財いつさいがつさい吹き払つてしまつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
だが、過去はもう一切合財いつさいがつさいを灰にして、こゝまで来たのだと、富岡は、かひこ棚のやうになつた、三階のベッドへ登り、くるりと革のジャンパアをぬぎ、毛布の上に横になつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)