南の海へ行きますみなみのうみへいきます
ながい疾患のいたみも消えさり、 淺間の山の雪も消え、 みんなお客さまたちは都におかへり、 酒はせんすゐにふきあげ、 ちらちら緋鯉もおよぎそめしが、 私はひとりぽつちとなり、 なにか知らねど泣きたくなり、 せんちめんたるの夕ぐれとなり、 しく …