夏と私なつとわたし
真ツ白い嘆かひのうちに、 海を見たり。鴎を見たり。 高きより、風のただ中に、 思ひ出の破片の翻転するをみたり。 夏としなれば、高山に、 真ツ白い嘆きを見たり。 燃ゆる山路を、登りゆきて 頂上の風に吹かれたり。 風に吹かれつ、わが来し方に 茫 …