安吾新日本風土記あんごしんにほんふどき02 第一回 高千穂に冬雨ふれり≪宮崎県の巻≫02 だいいっかい たかちほにふゆさめふれり≪みやざきけんのまき≫
私たちが羽田をたつ日、東京は濃霧であった。私が東京で経験した最も深い霧。半マイルの視界がないと飛行機の離着陸ができないそうで、八時にでるはずの福岡直行便が十二時ちかくようやく飛びたった。しかし乗客一同出発をうながしたり怒ったりする者が一人も …
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