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『夜』
ふりがな文庫
『
夜
(
よる
)
』
樟の大きな影が地面を覆って、薄暗い街燈が霧で曇ってゐた。雨に濡れた落葉がその辺には多い。月が雲の奔流に乗って、時々奇妙な光線を投げかける。そこは坂を登って、横に折れた路で、人はあんまり通らなかった。 しかし、今誰かやって来るらしい靴の音がき …
著者
原民喜
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約1分(500文字/分)
朗読目安時間
約2分(300文字/分)
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