雨の上高地あめのかみこうち
山好きの友人から上高地行を勧められる度に、自動車が通じるやうになつたら行くつもりだと云つて遁げてゐた。その言質をいよ/\受け出さなければならない時節が到来した。昭和九年九月廿九日の早朝新宿駅中央線プラットフォームへ行つて汽車を待つてゐると、 …
題名が同じ作品
雨の上高地 (新字新仮名)寺田寅彦 (著)