古木こぼく――近代説話――――きんだいせつわ――
終戦後、柴田巳之助は公職を去り、自宅に籠りがちな日々を送りました。隙に任せ、大政翼賛会を中心とした戦時中の記録を綴りかけましたが、それも物憂くて、筆は渋りがちでありました。一方、時勢を静観してみましたが、大きな転廻が感ぜられるだけで、将来の …