“瞶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みつ79.6%
みは6.8%
みまも3.9%
みつめ2.9%
まも1.9%
みまわ1.9%
つぶ1.0%
みひら1.0%
ミツ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と両手に襟を押開けて、仰様のけざま咽喉仏のどぼとけを示したるを、謙三郎はまたたきもせで、ややしばらくみつめたるが、銃剣一閃いっせんし、やみを切って
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と俊吉のみはる目に、胸を開くと、手巾ハンケチを当てた。見ると、顔の色が真蒼まっさおになるとともに、垂々ぽたぽたと血に染まるのが、あふれて、わななく指をれる。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「一ツかね。」とケロリとした顏で、學士の顏をみまもりながら、「大きいのが可いかね、それとも小さいのになさるだかね。」
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
まともにみつめられるとチリ毛だつような気がすることがある。……階下したの年寄夫婦の話だと、よくひきつけて大騒ぎをさせるといっていたっけが、気狂いの血統すじなのかも知れないね。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
他はみな見苦しくもあわふためきて、あまたの神と仏とは心々にいのられき。なおかの美人はこの騒擾の間、終始御者の様子を打ちまもりたり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
またもとの境内の中央に立ちて、もの淋しくみまわしぬ。山の奥にも響くべくすさまじき音して堂の扉をとざす音しつ、げきとしてものも聞えずなりぬ。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「えッ、裸に剥く元気も無くなったのかえ、見やがれ、江戸っ子のお豊姐さんの肌を拝ましてやらア、憚り乍ら湯文字まで御禁制の絹だよ、眼をつぶすなッ」
礫心中 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
大石に背をもたせて、両手に珠数をかけて合掌したまま、沈痛な表情で奥の天人像に向って端座しているのだ。年齢は五十五、六、左眼は失明していて、右眼だけをカッとみひらいている。
後光殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「うむ、おまへに見せてやるものがある、」彼は父の言葉をこれまで耳にすると、ガクツとたゞ一度だけする身慄ひと共に父の方をミツめた。
耕二のこと (新字旧仮名) / 中原中也(著)