御空みそら)” の例文
その時、西風が吹いてゐるのであらう、日高の方面へ向つて、その噴出した熔岩の灰が雲と發散して、御空みそらも暗くなるほどに廣がつた。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
天女てんによ御空みそらふがごと美音びおんは、こゝろなき壇上だんじやうはなさへさへゆるぐばかりで、滿塲まんじやうはあつとつたまゝみづつたやうしづまりかへつた。
「そして、(富士の高嶺たかねかすかになり、あま御空みそらの霞にまぎれ、)という処じゃ、小父さんの身体からだが、橋がかりの松の上へすっと上ったよ。」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だが、あゝ御空みそらの聖人たちよ、夕暮迫るマストのやうな
瑠璃るり御空みそら金砂子きんすなご、星輝ける神前に
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
あま御空みそらに此君をあふぎ見すらむ。
されば御空みそらのたたずまひ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
傷一つかげ一つなき初御空みそら
七百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
わし御空みそらたか
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
春枝夫人はるえふじん笑顏えがほ天女てんにようるはしきよりもうるはしく、あほ御空みそらにはくもあゆみをとゞめ、なみとり吾等われら讃美さんびするかとうたがはるゝ。この快絶くわいぜつときたちま舷門げんもんのほとりに尋常たゞならぬ警戒けいかいこゑきこえた。
瑠璃るり御空みそら金砂子きんすなご、星輝ける神前に
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
とり御空みそらむか
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
はる御空みそら雲雀毛ひばりげ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)