龍華寺りゅうげじ)” の例文
新字:竜華寺
その隣りの龍華寺りゅうげじでは僕達は蘇鉄そてつの大きいのに驚いた。一株から五十何本とか出ていると車屋が力説した。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
この大円和尚は、北京ほっけい大名府だいみょうふの、龍華寺りゅうげじのお坊さんである。たまたま行脚に出て済寧さいねいへ行く途中、梁山泊の近くにかかり、われて、これへ来ていた者だが。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三保みほの松原とか、久能山くのうさんだとか……あれ何ていうの樗牛ちょぎゅうという人のお墓のあるところ……龍華寺りゅうげじ? 方々見せてもらって、静岡に滞在していたの。そして土地のも呼んで、浮月に流連いつづけしていたの。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
或日父母に従って馬車を遠く郊外にせ、柳とあしと桑ばかり果しなくつづいている平野の唯中に龍華寺りゅうげじという古刹こさつをたずね、その塔の頂に登った事を思返すと、その日はたしかに旧暦の九月九日
十九の秋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)