“鬢掻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
びんかき66.7%
びんか33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「もうすつかりよくなつたんだけどね。——くみちやん一寸鬢掻びんかきを貸して頂戴な。私の髪はぢきこんなに下るのよ。もうお婆さんになつて髪も少くなつたし……」
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
かた御殿形ごてんがた、お初形はつがた、歌舞伎形などありと知るべし。次には櫛なり、差櫛さしぐし梳櫛すきぐし洗櫛あらひぐし中櫛なかざし鬢掻びんかき毛筋棒けすぢぼういづれも其一そのいちくべからず。また、鬢附びんつけ梳油すきあぶらと水油とこの三種の油必要なり。
当世女装一斑 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
呼びとめた男は、あいみじんのいき単衣ひとえに角帯をしめ、油じみた桐箱を手にさげて、まげの先に一本の鬢掻びんかきを挿していました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
銀杏返いちょうがえしに白い鬢掻びんかきなどをさして奥山でった手札形の自分の写真と、主婦あるじや母親、女中に半襟や櫛のようなものを買って、湯島の方へ訪ねて来た。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)