高地こうち)” の例文
「まだ、あんなたかいところにも、おじさん、はたけがありますよ。」と、勇吉ゆうきちは、そばの山腹さんぷくにある、たがやされた高地こうちゆびさしました。
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
笛がとぎれた時の、シーンとした静寂しじま冷気れいきとは、まるで深海のそこのようだ。けれど、事実じじつはおそろしい高地こうちなのだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天台宗てんだいしゆう寺院じいんは、高地こうちおほまうけてあるが、火山かざんもまた彼等かれらせんれなかつた。したがつてめづらしい火山現象かざんげんしようの、これ僧侶そうりよによつて觀察かんさつせられたれいすくなくない。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
島の内部にあるはだかの高地こうちと、海岸かいがんぞいのえた、よい土地が見えました。そのとき、ニールスは、ゆうべ聞いた話のいみが、ようやくわかりかけてきました。
その髪形かみかたちと着衣とは、非常にハッキリ乞食の印象に残っていたらしく、髪の方は「今時見かけねえ二百三高地こうちでさあ。わしらが若い時分流行はやったハイカラさんでさあ」
悪霊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
前章市内の閑地あきちを記したるじょうに述べたさめはしの如き、即ちその前後には寺町てらまち須賀町すがちょうの坂が向合いになっている。また小石川茗荷谷みょうがだににも両方の高地こうちが坂になっている。
家族には近い知人の二階屋に避難すべきを命じ置き、自分は若い者三人をしっして乳牛の避難にかかった。かねてここと見定みさだめて置いた高架鉄道の線路に添うた高地こうちに向って牛を引き出す手筈である。
水害雑録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
東を見ても、南を見ても、西を見ても、なにもえていない高地こうちのほかはほとんど何も見えません。
見たところは、スコーネのほかの高地こうちとまったく同じです。