もの)” の例文
しばしものを求め得ずとも、なぞもあさましく魚の餌を飲むべきとてそこを去る。しばしありてうゑますますはなはだしければ、かさねて思ふに、今はへがたし。
にはかにも飢ゑてものほしげなるに、彼此をちこち六六𩛰あさり得ずして狂ひゆくほどに、たちまち文四が釣を垂るるにあふ。其のはなはだかんばし。心又六七がみいましめを守りて思ふ。我はほとけの御弟子なり。
八一何となくなやみ出でて、八二鬼化もののけのやうに狂はしげなれば、ここに来りて幾日もあらず、此のわざはひかかる悲しさに、八三みづからもものさへわすれて八四いだたすくれども、只八五をのみ泣きて