“雪冤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せつえん50.0%
せつゑん50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この雪冤せつえんの文を作った外崎さんが、わたくしの渋江氏の子孫を捜し出すなかだちをしたのだから、わたくしはただこれだけの事をここにしるして置く。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
単に道庵一個の私事じゃない、江戸ッ子の面目を代表して、かつは先輩、弥次郎兵衛、喜多八が、到るところで恥をさらしているその雪冤せつえんの意味もあるということ。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
なぜと云ふに、逆意の有無を徳川氏に糺問きうもんせられる段になると、其讒誣ざんぶあへてした利章と對決するより外に、雪冤せつゑんの途はないのである。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
私は此内面の争闘をけみした後に、しばらくは惘然ばうぜんとしてゐたが、思量の均衡がやうやう恢復くわいふくせられると共に、従来回抱してゐた雪冤せつゑんの積極手段が、全く面目を改めて意識に上つて来た。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)