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陽氣
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ようき
もう
此樣な
話しは
廢しにして
陽氣にお
遊びなさりまし、
私は
何も
沈んだ
事は
大嫌ひ
ほんに
替り
目で
陽氣が
惡いけれど
太郎さんは
何時も
惡戯をして
居ますか、
何故に
今夜は
連れてお
出でない、お
祖父さんも
戀しがつてお
出なされた
物をと
言はれて、
又今更にうら
悲しく
さりとは
陽氣の
町と
住みたる
人の
申き、
三島神社の
角をまがりてより
是れぞと
見ゆる
大厦もなく、かたぶく
軒端の十
軒長屋二十
軒長屋、
商ひはかつふつ
利かぬ
處とて
半さしたる
雨戸の
外に
今夜も
此樣な
分らぬ
事いひ
出して
嘸貴君御迷惑で
御座んしてしよ、もう
話しはやめまする、
御機嫌に
障つたらばゆるして
下され、
誰れか
呼んで
陽氣にしませうかと
問へば、いや
遠慮は
無沙汰