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阿蘭陀
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オランダ
ふりがな文庫
“
阿蘭陀
(
オランダ
)” の例文
人の言うところには、丹後守は、
弓馬刀槍
(
きゅうばとうそう
)
の武芸に精通し、和漢内外の書物を読みつくし、その上、近頃は
阿蘭陀
(
オランダ
)
の学問を調べていると。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そこで大船を求めしめた処が、丁度平戸沖に
阿蘭陀
(
オランダ
)
船が碇泊しているのを知った。直ちに廻送せしめ、城へ
石火矢
(
いしびや
)
を放たせた。
島原の乱
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それだからこそ
阿蘭陀
(
オランダ
)
部屋の中へ、織江を一人で監禁し、自分は主屋の一室で、今まで考え込んでいたのであった。しかし彼はこう思った。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
彼女は象や鶴やお猿を見たときとは、全然別な心からの愛をもって、そのお友達のような美しい
阿蘭陀
(
オランダ
)
金魚の紅い尾や
鰭
(
ひれ
)
ふるさまを眺めていた。
或る少女の死まで
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
顔もあなたはわたしの国のおん母
麻利耶
(
マリヤ
)
とは大違ひです。ましてあの
方
(
かた
)
を御覧なさい。
成程
(
なるほど
)
あの方もこの国では、
阿蘭陀
(
オランダ
)
人と云ふかも知れません。
長崎小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
召しませぬか、さあさあ、これは
阿蘭陀
(
オランダ
)
トッピイ産の銀流し、
何方
(
どなた
)
もお
煙管
(
きせる
)
なり、お
簪
(
かんざし
)
なり、
真鍮
(
しんちゅう
)
、
銅
(
あかがね
)
、お試しなさい。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これは調子なども洋画風に
整頓
(
せいとん
)
した古い
阿蘭陀
(
オランダ
)
派の油絵に似たものが多く、主として、風景、人物、風俗あるいは汽船とか、西洋名勝などがあります
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
ことに、
阿蘭陀
(
オランダ
)
甚句の得わかぬ文句。テリガラフや築地の居留地や川蒸気などそんな時代の大津絵や。
随筆 寄席風俗
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
出島
(
でじま
)
に近い
船繋場
(
ふなつきば
)
には、和船に混って黒塗三本
檣
(
マスト
)
の
阿蘭陀
(
オランダ
)
船や、
艫
(
とも
)
の上った
寧波
(
ニンパオ
)
船が幾艘となく碇泊し、赤白青の
阿蘭陀
(
オランダ
)
の国旗や
黄龍旗
(
こうりゅうき
)
が
飜々
(
ひらひら
)
と微風に
靡
(
なび
)
いている。
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
葡萄茶
(
えびちや
)
の
細格子
(
ほそごうし
)
の
縞御召
(
しまおめし
)
に
勝色裏
(
かついろうら
)
の
袷
(
あはせ
)
を着て、羽織は
小紋縮緬
(
こもんちりめん
)
の
一紋
(
ひとつもん
)
、
阿蘭陀
(
オランダ
)
模様の
七糸
(
しつちん
)
の
袱紗帯
(
ふくさおび
)
に
金鎖子
(
きんぐさり
)
の
繊
(
ほそ
)
きを引入れて、
嬌
(
なまめかし
)
き友禅染の
襦袢
(
じゆばん
)
の
袖
(
そで
)
して口元を
拭
(
ぬぐ
)
ひつつ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
阿蘭陀
(
オランダ
)
の通事たちに、シロオテの日本へ渡って来たわけを調べさせたけれど、シロオテの言葉が日本語のようではありながら発音やアクセントの違うせいか、エド、ナンガサキ、キリシタン
地球図
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
いわく、〈近代
阿蘭陀
(
オランダ
)
の献る遍体黒白虎斑の馬あり、馬職に命じてこれを牧養せしむ、馬職これに乗りこれに載す、ともに尋常の馬に及ばず、ただ美色と
称
(
い
)
うのみ、あるいは曰く
騾
(
ら
)
の族なり云々〉と。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「但し、会所にて取扱ふ分は、
若
(
も
)
し払代銀並びに代り品等滞るもの
之
(
これ
)
有りとも、同所にて償ひ
阿蘭陀
(
オランダ
)
人に損失掛け間敷く、万一相対にて取計ひ損失相立つとも、会所にて差し構はず」(第七条但書)そのうえ
空罎
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
春日
(
かすが
)
の
太占
(
ふとまに
)
を調べるかたわらには
阿蘭陀
(
オランダ
)
の本を読み、いま
易筮
(
えきぜい
)
を終って次に
舶来
(
はくらい
)
の拳銃を取り出すという人であります。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
伴天連
(
ばてれん
)
、さあ、婚礼はわたしがさせても
好
(
い
)
いが、——何しろ
阿蘭陀
(
オランダ
)
生れだけに、あの女の
横柄
(
わうへい
)
なのは評判だからね。
長崎小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「その女を貝十郎より引き放し、
阿蘭陀
(
オランダ
)
部屋へ閉じこめよ!
有無
(
うむ
)
を申さば貝十郎を、飛び道具もて撃ってとれ」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ことに、
阿蘭陀
(
オランダ
)
甚句の得わかぬ文句、テリガラフや築地の居留地や川蒸気などそんな時代の大津絵や。
随筆 寄席囃子
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
またその
蒐集
(
しゅうしゅう
)
や
穿鑿
(
せんさく
)
は近頃ぼつぼつ古いガラス絵や
阿蘭陀
(
オランダ
)
伝来のビードロ絵を集める事も
漸
(
ようや
)
く流行して来たようでありますからその道の
好事家
(
こうずか
)
にお願して置く事として
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
阿蘭陀
(
オランダ
)
料理は源内先生の最も好むところで、このような珍味を食い葡萄酒を飲みながら植物学者ヤコブスの如き
高足
(
こうそく
)
と談笑することは、この世での最上の愉快とするのだが
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
屑屋はまた貴婦人を捕えて
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
、「あ、あ
良
(
い
)
い
匂
(
におい
)
だ
咽返
(
むせかえ
)
るようだ。」と鼻を突出してうそうそと
嗅
(
か
)
ぎ、「へん、
咽
(
むせ
)
も返るが呆れも返らあ、
阿蘭陀
(
オランダ
)
の金魚じゃねえが、香水の中で泳いでやあがる。 ...
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あの仁のことでございますから、美しい女子に
阿蘭陀
(
オランダ
)
衣裳でも着せて、住まわせるのでござりましょうよ」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一朶
(
いちだ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花を愛する唯の紅毛の女人である。見給へ。その女人の下にはかう云ふ金色の横文字さへある。ウイルヘルム煙草商会、アムステルダム。
阿蘭陀
(
オランダ
)
……
商賈聖母
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
阿蘭陀
(
オランダ
)
からか支那からかあるいは両方から入ったものか、私には今よくわかりませんが、何しろ輸入されてから、例えば当時の銅版や、油絵の如く、
江漢
(
こうかん
)
とか、
源内
(
げんない
)
とか
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
女は
不相変
(
あひかはらず
)
勘定台の前に受取りか何か整理してゐる。かう云ふ店の光景はいつ見ても悪いものではない。何処か
阿蘭陀
(
オランダ
)
の風俗画じみた、もの静かな幸福に溢れてゐる。
あばばばば
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
阿蘭陀
(
オランダ
)
仕込みの西洋手品! 世間の奴らはこんなように云う。もっと馬鹿な奴は
吉利支丹
(
キリシタン
)
だと云う。
柳営秘録かつえ蔵
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
阿蘭陀
(
オランダ
)
風の洋室であった。書棚に積まれた万巻の書、巨大な
卓
(
テーブル
)
のその上には、精巧な地球儀が置いてあった。椅子の一つに腰かけているのが、例の鶴髪の老人であった。
柳営秘録かつえ蔵
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ああ云ふ作品は
可笑
(
をか
)
しいかも知れない。しかしその可笑しいところに、
善
(
よ
)
く云へば
阿蘭陀
(
オランダ
)
の
花瓶
(
くわびん
)
に似た、悪く云へばサムラヒ商会の輸出品に似た一種のシヤルムがひそんでゐる。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ユージェント・ルー・ビショット氏。
阿蘭陀
(
オランダ
)
より参った大画家じゃ」
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
阿蘭陀
(
オランダ
)
の女、(腹立たしげに)
余計
(
よけい
)
な事は
仰有
(
おつしや
)
らずに下さい。
長崎小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
阿
漢検準1級
部首:⾩
8画
蘭
漢検準1級
部首:⾋
19画
陀
漢検準1級
部首:⾩
8画
“阿蘭陀”で始まる語句
阿蘭陀煉
阿蘭陀芹
阿蘭陀風
阿蘭陀八朔
阿蘭陀出来
阿蘭陀錦魚
阿蘭陀附木