門扉とびら)” の例文
さて、門の前まで来は来たものの、あまり凄じいようすで、門扉とびらを押す気さえしない。
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
門扉とびらを打つもの礎石いしずえを蹴るもの、丸太で土塀をえぐるものもあった。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
てつ門扉とびら打摧うちくだかれ、敵軍てきぐん
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
土壊つちくいで土地が沈み、太い門柱が門扉とびらをつけたままごろんと寝転ねころがっている。小瓦の上には、こけ蒼々あおあお。夏は飛蝗ばった蜻蛉とんぼ棲家すみかになろう、その苔の上に落葉が落ち積んで、どす黒く腐っている。
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
みぎりあえなくも鉄の門扉とびら
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)