“とびら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
94.1%
門扉2.0%
1.0%
1.0%
土扉0.5%
0.5%
隔子0.5%
題扉0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これはむしろ当然なことである。私はただわずかに前句の壁のとびらを一つくぐったすぐ向こう側の隣の庭をさまよっているからである。
連句雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
門扉とびらを打つもの礎石いしずえを蹴るもの、丸太で土塀をえぐるものもあった。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
(公子のさしずにより、姿見に錦のおおいを掛け、とびらる。)
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あの名高い江家ごうけ文庫が、仁平にんぺいの昔に焼亡して、とびらを開くいとまもなく万巻の群書片時に灰となつたと申すのも、やはりうまの刻の火であつたことまでが思ひ合はされ
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
そして、入口の土扉とびらが、わずかの隙を見せて開いているのを見出すと、ためらわず、ツイと押してはいって、しめっぽいほこりくさい、闇の中を、二階への階段を上って行った。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
二人は用意とゝのひたる旨を答へ、さらばとて男神立ち上らんとし給ふ時、白銀のとびら風に吹かるゝ如く開きて、やがて女神は身を現し給ひぬ。やゝしばし樣子見給ひし後歩み寄りて男神に向ひ
花枕 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
へやの両側は四扇しまいびらき隔子とびらになって、一方の狭い入口には青いきぬとばりがさがっていた。小婢は白娘子に知らすためであろう、その簾を片手で掲げて次の室へ往った。許宣はそこに立って室の容子を見た。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
すると、彼は黙って題扉とびらを指さした。すっかり蒼ざめてしまって、その本をだらりとさげて、唇をふるわせながら、夫人を見つめている。
トリスタン (新字新仮名) / パウル・トーマス・マン(著)