“這(ハ)” の例文
こんなに、寝床の上を這(ハ)ひずり廻つてゐるのが、だれにも訣らぬのか。こんなに、手足をばた/″\やつてゐるおれの、見える奴が居ぬのか。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
神風の 伊勢の海の大石(オヒシ)に 這ひ廻(モトホ)ろふ細螺(シタダミ)の い這(ハ)ひ廻(モトホ)り、伐ちてしやまむ(神武天皇——記)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
づうと這(ハ)ひ寄つて来た身狭乳母(ムサノチオモ)は、郎女の前に居たけを聳(ソビヤ)かして、掩(オホ)ひになつた。外光の直射を防ぐ為と、一つは、男たちの前、殊には、庶民の目に、貴人(アテビト)の姿を暴(サラ)すまい、とするのであらう。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)