かれはハヾトフが昨日きのふことおくびにもさず、にもけてゐぬやうな樣子やうすて、心中しんちゆう一方ひとかたならず感謝かんしやした。這麼非文明的こんなひぶんめいてき人間にんげんから、かゝ思遣おもひやりをけやうとは、まつた意外いぐわいつたので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)