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逍遥
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さまよ
ふりがな文庫
“
逍遥
(
さまよ
)” の例文
汝
(
なんぢ
)
は地の上を
逍遥
(
さまよ
)
ひ歩きぬ。されどすべて汝の知りしところのものは無なり。すべて汝の見たるもの、すべて汝の聞きたるものは無なり。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
青年は死場所を求めて、箱根から
豆相
(
づさう
)
の間を
逍遥
(
さまよ
)
つてゐたのだつた。彼の奇禍は、彼の望み
通
(
どほり
)
に、偽りの贈り物を、彼の純真な血で真赤に染めたのだ。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
多くの人が
行李
(
こうり
)
を抱いて一度郷里に帰り去って後も我らはなお暫く留まって京洛の天地に
逍遥
(
さまよ
)
うていた。
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
而してオペラの幕あきの合図の電鈴のやうにとりとめもなく
逍遥
(
さまよ
)
うてゐる私の夕暮の感覚をひき戻す。
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
……青い青い空……赤い煉瓦塀……白く
眩
(
まぶ
)
しく光る砂……その上を
逍遥
(
さまよ
)
う黒い人影……。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
その辮髪は、支那人の背中の影で、いつも
嘆息
(
ためいき
)
深く、閑雅に、憂鬱に沈思しながら、戦争の最中でさえも、阿片の夢のように
逍遥
(
さまよ
)
っていた。彼らの姿は、真に幻想的な詩題であった。
日清戦争異聞:(原田重吉の夢)
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
三人はこの時嘉門の主屋の、構えの外を巡りながら、なお
逍遥
(
さまよ
)
っていたのであった。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
やがて私は
嫩葉
(
わかば
)
の森に
囲繞
(
いにょう
)
せられたヴェランダへ出て、食後の煙草を楽しんだり、
白菖
(
マートル
)
の生えた池の
畔
(
ほとり
)
を
逍遥
(
さまよ
)
いながら、籐の寝椅子に
凭
(
もた
)
れてうとうとと
昨夜
(
ゆうべ
)
の足りぬ眠りを補ったり
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
紺絞りの首抜きの
浴衣
(
ゆかた
)
を着て、赤
毛布
(
ゲット
)
を引き
絡
(
まと
)
い、身を持て余したるがごとくに歩みを運び、
下駄
(
げた
)
の
爪頭
(
つまさき
)
に
戞々
(
かつかつ
)
と
礫
(
こいし
)
を
蹴遣
(
けや
)
りつつ、流れに沿いて
逍遥
(
さまよ
)
いたりしが、
瑠璃
(
るり
)
色に澄み渡れる空を打ち仰ぎて
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
青年は死場所を求めて、箱根から
豆相
(
ずそう
)
の間を
逍遥
(
さまよ
)
っていたのだった。彼の奇禍は、彼の望み
通
(
どおり
)
に、偽りの贈り物を、彼の純真な血で真赤に染めたのだ。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それでも
一抹
(
いちまつ
)
の濃い靄はなお白くその辺を
逍遥
(
さまよ
)
うていた。これが由布院村であった。
別府温泉
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
“逍遥”の意味
《名詞》
逍遥(しょうよう)
気ままに歩き回ること。
(出典:Wiktionary)
逍
漢検1級
部首:⾡
11画
遥
漢検準1級
部首:⾡
12画
“逍遥”で始まる語句
逍遥軒
逍遥道路
逍遥津
逍遥派
逍遥馬
逍遥玉面
逍遥生死
逍遥頭巾