“逍遥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょうよう74.1%
さまよ13.6%
ぶらつ6.2%
せうえう4.9%
あちこち1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
アグリパイナは、ネロの手をひいて孤島のなぎさ逍遥しょうようし、水平線のかなたを指さし、ドミチウスや、ロオマは、きっと、あの辺だよ。
古典風 (新字新仮名) / 太宰治(著)
なんぢは地の上を逍遥さまよひ歩きぬ。されどすべて汝の知りしところのものは無なり。すべて汝の見たるもの、すべて汝の聞きたるものは無なり。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
お島は父親が内へ入ってからも、暫く裏の植木畑のあたりを逍遥ぶらついていた。どうせここにいても、母親と毎日々々いがみあっていなければならない。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
写真班しやしんはん英雄えいゆうは、すなはちこの三岐みつまたで一自動車じどうしや飛下とびおりて、林間りんかんてふ逍遥せうえうする博士はかせむかふるために、せて後戻あともどりをしたところである。——
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その時健三は日のかぎった夕暮の空の下に、広くもない庭先を逍遥あちこちしていた。彼の歩みが書斎の縁側の前へ来た時、細君は半分朽ち懸けた枝折戸しおりどの影から急に姿を現わした。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)