許六きょりく)” の例文
かつて一度は同じ連衆に参加した者の間にすら、後々のちのちは異説を生じ、越人えつじん支考しこう許六きょりく惟然いぜんなどは互いにののしりまた争っていたのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
芭蕉の弟子のうちでも許六きょりくという人は配合に重きを置いた人で、題に執着しないで、何でも配合物を見出してきて、それをその題にくっつける
俳句の作りよう (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
近江には丈草じょうそう許六きょりく尚白しょうはく智月ちげつ乙州おとくに千那せんな正秀まさひで曲翠きょくすい珍碩ちんせき李由りゆう毛紈もうがん程已ていいなどと申すようにおびただしく出て、皆腕こきのしたたか者です。
俳句上の京と江戸 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
昔芭蕉の弟子に許六きょりくという人がありました。その人が句作法としてこういうことを言っています。
俳句の作りよう (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
清水の上から出たり春の月 許六きょりく
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
むかしばなしに野郎泣かする 許六きょりく
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
苗代なわしろやうれし顔にも鳴く蛙 許六きょりく
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)