見顕みあら)” の例文
旧字:見顯
歩かされて、城下のおんなどもにまで、この顔をありありと見覚えられては、どう身扮みなりを変えても次にはすぐ見顕みあらわされてしまう
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いゝ正月をしようと思った所が、打って違って山出しの多助の野郎に見顕みあらわされたから、もう破れかぶれだ、さア突き出せ/\
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いよいよ頭中将であることがわかるとおかしくなって、抜いた太刀を持つひじをとらえてぐっとつねると、中将は見顕みあらわされたことを残念に思いながらも笑ってしまった。
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)
驚くべきを見顕みあらはさずに。
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
多助が見顕みあらわしたのは腹も立つだろうが、そんな事を云っても仕様がないから、私が得心の上で廿両上げよう、騙ったと云えばお前の罪も重くなり
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
然るに此のたび其許に我等の悪事を見顕みあらわされ誠に慚愧の至り、さりながら同類の手前何分捨て置きがたく、是非なく真堀の定蓮寺へ気絶の儘埋葬いたすなり
手前てまえにそう見顕みあらわされて誠に困ったが、金をるから急いで足利在あしかゞざいまで引いてくれ
清水の旦那のあだかえさずに置くものか、と切歯はぎしりをしながら其のは帰宅致しまして、十二月五日の明店あきだなに忍んで井生森又作の様子をさぐり、旧悪きゅうあく見顕みあらわすという所はちょっと一息ひといきつきまして
わっちア道連の小平という胡麻のへえで、実は少し訳があって此の書付が手にへいったから、八十両まんまとかたり取ろうと思った処が、山出しの多助の野郎に見顕みあらわされ、ばけの皮があらわれてしまったから
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
山「屹度それに相違ない、何うかして見顕みあらわして遣りたいもの」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)