“蛼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こおろぎ50.0%
こほろぎ25.0%
いとど12.5%
いとゞ4.2%
こうろぎ4.2%
ひぐらし4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お栄はそれを見ると同時に、急にこおろぎの鳴く声さえしない真夜中の土蔵が怖くなって、思わず祖母の膝へすがりついたまま、しくしく泣き出してしまいました。
黒衣聖母 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
轡虫くつわむしだの、こほろぎだの、秋の先駆であるさまざまの虫が、或は草原で、或は彼の机の前で、或は彼のとこの下で鳴き初めた。楽しい田園の新秋の予感が、村人の心を浮き立たせた。
わが哀慕雨と降る日にいとど死ぬ蝉死ぬとしも暦を作れ
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)
初冬の宵の寂しさに、臺所の障子のかげに、細々といとゞのなく頃である。
秋も段々に末になって伝馬町の牢屋でも板間の下でこうろぎが鳴いた。
黄八丈の小袖 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
またひぐらしのなく頃となつた
(旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)