こほろぎ)” の例文
轡虫くつわむしだの、こほろぎだの、秋の先駆であるさまざまの虫が、或は草原で、或は彼の机の前で、或は彼のとこの下で鳴き初めた。楽しい田園の新秋の予感が、村人の心を浮き立たせた。
鬼怒川きぬがは土手どて繁茂はんもしたしのまつはつてみじか鴨跖草つゆぐさからくきからどろまみれてながらなほ生命せいめいたもちつゝ日毎ひごとあはれげなはなをつけた。こほろぎ滅入めいやうかげいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「だつてこほろぎが居るところには狐も居ようといふものぢやないか。」
膝折れのこほろぎも啼け十三夜
普羅句集 (新字旧仮名) / 前田普羅(著)
声をかぎりにこほろぎ
偏奇館吟草 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
こほろぎ
十五夜お月さん (旧字旧仮名) / 野口雨情(著)
厠遠しかのこほろぎの高調子
普羅句集 (新字旧仮名) / 前田普羅(著)
猶泣きやまぬこほろぎ
偏奇館吟草 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
こほろぎ
偏奇館吟草 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)