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蛤鍋
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はまなべ
ふりがな文庫
“
蛤鍋
(
はまなべ
)” の例文
蛤鍋
(
はまなべ
)
かなんかをつつきながら、しきりと女に酌をとらせていたものでしたから、右門は大声に
叱咜
(
しった
)
すると、まずその荒肝をひしぎました。
右門捕物帖:10 耳のない浪人
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
その
天麩羅屋
(
てんぷらや
)
の、しかも
蛤鍋
(
はまなべ
)
三錢
(
さんせん
)
と
云
(
い
)
ふのを
狙
(
ねら
)
つて、
小栗
(
をぐり
)
、
柳川
(
やながは
)
、
徳田
(
とくだ
)
、
私
(
わたし
)
……
宙外君
(
ちうぐわいくん
)
が
加
(
くは
)
はつて、
大擧
(
たいきよ
)
して
押上
(
おしあが
)
つた、
春寒
(
はるさむ
)
の
午後
(
ごご
)
である。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
馬道へ出ると一流の料理屋富士屋があり、もっと先へ出ると
田町
(
たまち
)
となって、此所は朝帰りの客を
招
(
よ
)
ぶ
蛤鍋
(
はまなべ
)
の店が並んでいる。
幕末維新懐古談:12 名高かった店などの印象
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
会合の場所は
馬橋
(
まばし
)
のYの家だということだった。寒い夜だった。修造のために
蛤鍋
(
はまなべ
)
の用意をして、茂緒は待っていた。いつまでたっても、修造は帰ってこなかった。
風
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
見透
(
みす
)
かしても旦那の前は
庇護
(
かぼ
)
うてくるるであろう、おお朝飯がまだらしい、三や何でもよいほどに
御膳
(
ごぜん
)
を
其方
(
そち
)
へこしらえよ、湯豆腐に
蛤鍋
(
はまなべ
)
とは行かぬが新漬に煮豆でも構わぬわのう
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
娑婆
(
しゃば
)
の夜景にのびのびとして、
雪踏
(
せった
)
を軽く擦りながら町の軒並を歩きますに、茶屋の赤い灯、
田楽
(
でんがく
)
屋のうちわの音、
蛤鍋
(
はまなべ
)
、
鰻屋
(
うなぎや
)
の薄煙り、
声色屋
(
こわいろや
)
の
拍子木
(
ひょうしぎ
)
や影絵のドラなど、目に鼻に耳に
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
先生
(
せんせい
)
……(
水
(
みづ
)
)……」「
何
(
なに
)
。」「
蛤鍋
(
はまなべ
)
へおともは
如何
(
いかゞ
)
で。」「
馬鹿
(
ばか
)
を
言
(
い
)
へ。」「いゝえ、
大分
(
だいぶ
)
、
女中
(
ねえ
)
さんがこがれて
居
(
を
)
りますさうでございまして。」
傍
(
かたはら
)
から
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「でも、
蛤鍋
(
はまなべ
)
かなんかでやにさがっていたあたりは、あんまり命が縮まったとも思えないではないか」
右門捕物帖:10 耳のない浪人
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
見透かしても旦那の前は
庇護
(
かば
)
ふて呉るゝであらう、おゝ朝飯がまだらしい、三や何でもよいほどに御膳を其方へこしらへよ、湯豆腐に
蛤鍋
(
はまなべ
)
とは行かぬが新漬に煮豆でも構はぬはのう
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
辰巳
(
たつみ
)
の
方
(
かた
)
には、ばか
鍋
(
なべ
)
、
蛤鍋
(
はまなべ
)
などと
言
(
い
)
ふ
逸物
(
いちもつ
)
、
一類
(
いちるゐ
)
があると
聞
(
き
)
く。が、
一向
(
いつかう
)
に
場所
(
ばしよ
)
も
方角
(
はうがく
)
も
分
(
わか
)
らない。
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
蛤
漢検準1級
部首:⾍
12画
鍋
常用漢字
中学
部首:⾦
17画
“蛤鍋”で始まる語句
蛤鍋屋