“蛤鍋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はまなべ72.7%
はまぐりなべ27.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蛤鍋はまなべかなんかをつつきながら、しきりと女に酌をとらせていたものでしたから、右門は大声に叱咜しったすると、まずその荒肝をひしぎました。
その天麩羅屋てんぷらやの、しかも蛤鍋はまなべ三錢さんせんふのをねらつて、小栗をぐり柳川やながは徳田とくだわたし……宙外君ちうぐわいくんくははつて、大擧たいきよして押上おしあがつた、春寒はるさむ午後ごごである。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
蛤鍋はまぐりなべの味噌も固くなってしまった。私は原稿も書けないので、机を鏡台のそばに押しやって、淋しく床をのべる。ああ髪結さんにも行きたいものだ。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
そして常に大精進でしたから、或る時友人と全生庵に坐禅をしに行った帰りに、いけはた仲町の蛤鍋はまぐりなべ這入はいったが、自分は精進だから菜葉なっぱだけで喰べた事がありました。
我が宗教観 (新字新仮名) / 淡島寒月(著)