“藥舖”の読み方と例文
新字:薬舗
読み方割合
くすりや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其(そ)の醫者(いしや)は鉛筆(えんぴつ)で手帖(ててふ)の端(はし)へ一寸(ちよつと)書(か)きつけて、それでは直(すぐ)に此(これ)を藥舖(くすりや)で買(か)つて來(く)るのだといつた。それから自分(じぶん)の家(うち)へ此(これ)を出(だ)せば渡(わた)して呉(く)れるものがあるからと此(これ)も手帖(ててふ)の端(はし)を裂(さ)いた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
勘次(かんじ)は又(また)川(かは)を越(こ)えて走(はし)つた。藥舖(くすりや)では罎(びん)へ入(い)れた藥(くすり)を二包(ふたつゝみ)渡(わた)して呉(く)れた。一罎(ひとびん)が七十五錢(せん)づゝだといはれて、勘次(かんじ)は懷(ふところ)が急(きふ)にげつそりと減(へ)つた心持(こゝろもち)がした。彼(かれ)は蜻蛉返(とんぼがへ)りに歸(かへ)つて來(き)た。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
醫者(いしや)は更(さら)に勘次(かんじ)を藥舖(くすりや)へ走(はし)らせた。勘次(かんじ)は只(たゞ)醫者(いしや)のいふが儘(まゝ)に息(いき)せき切(き)つて駈(か)けて歩(ある)く間(あひだ)が、屹度(きつと)どうにか防(ふせ)ぎをつけてくれるだらうとの恃(たのみ)もあるので僅(わづか)に自分(じぶん)の心(こゝろ)を慰(なぐさ)め得(う)る唯(ゆゐ)一の機會(きくわい)であつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)