薫陶くんたう)” の例文
もと/\軍隊風に児童を薫陶くんたうしたいと言ふのが斯人の主義で、日々にち/\の挙動も生活もすべて其から割出してあつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
事件を生徒たちに精神的薫陶くんたうを與へる材料にしてしまはなければ駄目です。
先生の薫陶くんたうを受けてゐる学生の中には、イブセンとか、ストリントベルクとか、乃至メエテルリンクとかの評論を書く学生が、ゐるばかりでなく、進んでは、さう云ふ近代の戯曲家の跡を追つて
手巾 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
東京とうきやうにも歌人うたよみ大家先生たいかせんせい澤山たくさんあれど我等われらのやうに先生せんせい薫陶くんたう大島小學校おほしませうがくかうもんまなさふらふものならで、我等われら精神感情せいしんかんじやう唱歌しやうかうたいだるものるべきや、はなは覺束おぼつかなく存候ぞんじさふらふ
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
僕の議論好きになりたるは全然この辛辣しんらつなる論理的天才の薫陶くんたうによる。句も作り、歌も作り、小説も作り、詩も作り、も作る才人なり。もつとも今はそんなことは知らぬ顔をしてゐるのに相違なし。
学校友だち (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)