かづら)” の例文
それといふのでその四五十人を何とかいふかづらで何とかいふ木にくゝしつけてしまつた。そしてよく聞いて見ると大阪ではなくずつと舊く鎌倉の落人であることが解つた。
宿り木、かづらなどにてすくなくも一木ひとぎ五色ごしきの花附けぬはなくさふらへば、実れる木も多く、葉の紅葉もみぢはた雁来紅がんらいこうの色したる棕櫚しゆろに似たる木など目もあやに夕闇に浮び申しさふらひき。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
我が命としほぎ草のさち草の日蔭ひかげかづらながくとをのる
長塚節歌集:3 下 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あき茴香うゐきやう、えびかづらいろづきつ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
そして其処の何十人かの男女を何とかいふかづらで、何とかいふ木にくゝつてしまつた。そして段々検べてみると同じ残党でも鎌倉の落武者の後である事が解つて、蔓を解いた。
木枯紀行 (新字旧仮名) / 若山牧水(著)
秋は茴香うゐきやう、えびかづらぞ色づきつ
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)