“かづら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カヅラ
語句割合
23.1%
23.1%
19.2%
假髮7.7%
3.8%
仮髪3.8%
葛蔓3.8%
葛蘿3.8%
薜蘿3.8%
3.8%
3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「みんな言ひ合せたやうに真つ黒な頭をしてやがる。屹度何だらう、おれいぢめようと思つてかづらでもかぶつてるのだらう。」
宿り木、かづらなどにてすくなくも一木ひとぎ五色ごしきの花附けぬはなくさふらへば、実れる木も多く、葉の紅葉もみぢはた雁来紅がんらいこうの色したる棕櫚しゆろに似たる木など目もあやに夕闇に浮び申しさふらひき。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
軒端に近く、横に細長い窓が高くいて、かづらの捲きついた竹の格子が半分だけ未完成の形に殘されてある。
桂離宮 (旧字旧仮名) / 野上豊一郎(著)
まづ始には女目付をんなめつけのバルバラがつぶやくやう、あのピエロオの拔作め、氣のかないのも程がある、カサンドル樣の假髮かづらの箱をおとして、白粉おしろいみんないて了つたぞ。
胡弓 (旧字旧仮名) / ルイ・ベルトラン(著)
あぶらひかりゆるかづら百合ゆりの花のまはしきかも 〔巻十八・四〇八六〕 大伴家持
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「我がかづら」といったのは、自分の分として頂戴ちょうだいした縵という意味である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
例の如くまさかりいてふに柿色の上下かみしもで出て、一通口上を述べ、さて仮髪かづらを脱いで坊主頭になつて、此度此通頭を円めましたから、此頭に兜巾ときんを戴いて辨慶を勤めて御覧に入れますと云つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
むかしのまゝ練壁ねりかべ處々ところ/″\くづちて、かはら完全くわんぜんなのは見當みあたらくらゐそれに葛蔓かづらのぼつてますから、一見いつけん廢寺ふるでらかべるやうです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
私は背よりも高い藪をむちやくちやにかきわけながらでこでこな灌木の枝に頬をはじかれ、軍配団扇みたいな葛蘿かづらに足をさされして息のつまりさうな深みからひとつの峰へ辛うじてぬけだした。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
木立こだちわづかにきたる所に、つちたかみたるが上に、石を三かさねにたたみなしたるが、二三荊蕀うばら薜蘿かづらにうづもれてうらがなしきを、これならん御墓みはかにやと心もかきくらまされて
おほよそ此の国の古語ふることに、一一二かづら一一三だれ一一四珠衣たまぎぬたぐひは、かたちをほめ清きをむることばなるから、清水しみづをも玉水玉の井玉河ともほむるなり。毒ある流れをなど一一五玉てふことばかうむらしめん。
墓地の大きなみちの一つの突当つきあたりにあるのでよく人の目に着く墓だ。墓碑には青いかづら這上はひのぼつて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)