トップ
>
茅原
>
かやはら
ふりがな文庫
“
茅原
(
かやはら
)” の例文
基経は何時かは
茅原
(
かやはら
)
と
猟夫
(
さつお
)
が
太刀
(
たち
)
を合わすようなことになりはしないかと、二人が
狙
(
ねら
)
い合っている
呼吸
(
いき
)
づかいを感じずにいられなかった。
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
掘った土は、低地の
茅原
(
かやはら
)
や沼地をどんどん埋立てて行った。一ヵ所の溜池ができると、附近の川の性能がまるで違って来た。
鬼
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
キャラコさんは、ひろい
茅原
(
かやはら
)
のなかに
点綴
(
てんてつ
)
するアメリカ村の
赤瓦
(
あかがわら
)
を眺めながら、
精進湖
(
しょうじこ
)
までつづく
坦々
(
たんたん
)
たるドライヴ・ウェイをゆっくりと歩いていた。
キャラコさん:04 女の手
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
鳴し稍丑滿頃とも思ふ頃
怪
(
あや
)
しや
遙
(
はる
)
か
麓
(
ふもと
)
の方よりがさ/\わさ/\と
小笹
(
をさゝ
)
茅原
(
かやはら
)
押分
(
おしわけ
)
て來る
氣態
(
けはひ
)
なればお粂は
屹度
(
きつと
)
氣を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
桑畑や
茅原
(
かやはら
)
を吹きわたってくる風は、山気をふくんで秋かと思うほど冷やかだった。
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
奈良県
吉野郡
(
よしのぐん
)
掖上村
(
わきかみむら
)
茅原
(
かやはら
)
に
茅原寺
(
ちげんじ
)
と云う真宗の寺院があった。其の寺院は一名
吉祥草院
(
きっしょうそういん
)
。其処に
役行者
(
えんのぎょうじゃ
)
自作の像があって、国宝に指定せられているが、其の寺院に
名音
(
みょうおん
)
と云う老尼がいた。
法華僧の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
同じ位の高さの凸起を五つ六つ上下すると、山稜の向きが少し西に振れて、唐松のまばらに生えた、爪先上りの
茅原
(
かやはら
)
が続く。何処かの原へでも出たようで、山の上を歩いているという感じが起らない。
奥秩父の山旅日記
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
基経が
辿
(
たど
)
りついた土手の上に、津の国の
茅原
(
かやはら
)
は半身を川の方に乗り出したまま深く胸を
射透
(
いとお
)
されて、
呼吸
(
いき
)
を絶っていた。
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
せまい縁に、
欄
(
てすり
)
がついている。欄の下には、高瀬川の水がせせらいでいた。三条の小橋から南は、
瑞泉院
(
ずいせんいん
)
のひろい境内と、暗い寺町と、そして
茅原
(
かやはら
)
だった。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
猟の日、橘はうす青い
単衣
(
ひとえ
)
に
山吹匂
(
やまぶきにおい
)
を着て父についていたが、津の
茅原
(
かやはら
)
も、和泉の
猟夫
(
さつお
)
も、弓、太刀をはいて、濃い晩春の
生田川
(
いくたがわ
)
のほとりに出て行った。
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
蟻
(
あり
)
が物を運ぶように、山を切り崩した土は、柳島の
芦
(
あし
)
の沼地を埋めて行った。原始人の踏んだままにひとしかった
茅原
(
かやはら
)
や青い沼水が、またたくうちに新しい土で盛り上げられて行った。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
茅
漢検準1級
部首:⾋
8画
原
常用漢字
小2
部首:⼚
10画
“茅原”で始まる語句
茅原寺