えが)” の例文
旧字:
さいえば天下の神人はすべて紙は穢れたる事に使うまじきや。また、津島の神主氷室氏、えがくににかわの入りたる墨を使わず、筆の毛は忌まざるにや
美しき虹を、そのまま柱にしてえがかれたる、十二光仏じゅうにこうぶつの微妙なる種々相しゅじゅそうは、一つ一つにしきの糸に白露しらつゆちりばめた如く、玲瓏れいろうとして珠玉しゅぎょくの中にあらわれて、清くあきらかに、しかもかすかなる幻である。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
惟うに麒麟や鳳凰、それから獅子を五采燦爛さんらんたるように和漢ともえがくは、最初外国から似寄った動物を染め飾り持ち来ったのに欺かれ、瑞兆として高く買ったでなかろうか。
小さな浮木うきほどになっていたのが、ツウと浮いて、板ぐるみ、グイと傾いて、水のおもにぴたりとついたと思うと、罔竜あまりょうかしらえがける鬼火ひとだまのごとき一条ひとすじの脈が、竜の口からむくりといて
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
両国橋見せ物に六足馬えがける看板を掛く、予人をして視せしむるに、足六なるにあらず、図のごとく真に六脚あるにあらず、前蹄に添いて、わずかに足末を生ぜるまでなり
小さな浮木うきほどに成つて居たのが、ツウと浮いて、板ぐるみ、グイと傾いて、水のおもにぴたりとついたと思ふと、罔竜あまりょうかしらえがける鬼火ひとだまの如き一条ひとすじみゃくが、たつくちからむくりといて、水を一文字いちもんじ
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)