立構たちがま)” の例文
用人は、これはと、一と足あとへ退ると、蔵人はとっさの間に立構たちがまえになり、雅楽頭に会釈をして、すらりとお次へ出る。雅楽頭もそれをしおに奥へ入った。
無惨やな (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
せきをすると、じつるのを、もぢや/\とゆびうごかしてまねくと、飛立とびたつやうにひざてたが、綿わたそつしたいて、立構たちがまへで四邊あたりたのは、母親はゝおやうちだとえる。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)