破傷風はしょうふう)” の例文
「一つは右足の拇指おやゆびがすこし短いのだ。よく見ると、それは破傷風はしょうふうかなんかを患って、それで指を半分ほど切断したあとだと思う」
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それはさきに負傷して成都へ還っていた張飛の子張苞ちょうほうの死であった。破傷風はしょうふうを併発してついに歿したという知らせが孔明の手もとに届いた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
破傷風はしょうふうというんですが、そのへんのところがはっきりしない。医者が先に立ってこれはなにかの祟りでしょうと言うんだそうですから、けぶです」
顎十郎捕物帳:24 蠑螈 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「うん、こりやあ酷い。早く宿へ帰つて消毒せんことには、破傷風はしょうふうにでもなられたら大ごとですからな」と父。
少年 (新字旧仮名) / 神西清(著)
このお医者さんは、外科はまるでだめだったと見えて、女中の足の指も腐らせてしまったが、あんぽんたんの父の手の外傷きずも例の膏薬で破傷風はしょうふうにしてしまった。
かしこまりましたが、先達せんだって職人の兼という奴が、のみで足の拇指おやゆび突切つッきった傷が破傷風はしょうふうにでもなりそうで、ひどく痛むと云いますから、相州の湯河原へ湯治にやろうと思いますが
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「これは大変だ。しかし破傷風はしょうふうにしてもこんなに早く毒が廻るはずはない——吹矢を拝見」
今年は朝顔の培養ばいように失敗した事、上野うえのの養育院の寄附を依頼された事、入梅にゅうばいで書物が大半びてしまった事、かかえの車夫が破傷風はしょうふうになった事、都座みやこざの西洋手品を見に行った事
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
夏は破傷風はしょうふうをおこしてすぐのうを持つ。落武者のよく用いる非常療法に灸治きゅうじがある。玄蕃允も、山中の農家へ立ち寄って
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
Hさんはちよつとした破傷風はしょうふうで二三日前から休暇をとり、その病院へ通つてゐるのだといふ話でした。
死児変相 (新字旧仮名) / 神西清(著)