いそ)” の例文
かくていそかみの神宮に參つて、天皇に「すべて平定し終つて參りました」と奏上致しました。依つて召し入れて語られました。
「いえ、竹取物語はこうして生れたのです。そしてその作者はいそかみ文麻呂ふみまろう人です。……」
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
いそかみふるとも雨にさはらめや妹に逢はむと云ひてしものを」(巻四・六六四)。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
多武たむノ峯のうへに石垣をめぐらした観台たかどのをおこさうとされて、香具山の西からはるばるいそかみの山まで運河を切りひらき、舟二百隻に石材をつんで宮の山すそまで運んで来させた折にも
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
大来皇女おおくのひめみこ挽歌ばんかにある「いそのうへにふる馬酔木あしびを手折らめど……」
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「では、河内かわちの国、富田林とんだばやしの、いそ上露子かみつゆこさんとどっちが——」
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ヲケの王の兄のオホケの王(仁賢天皇)、大和のいそかみの廣高の宮においでになつて、天下をお治めなさいました。
東国のある丘陵きゅうりょう地帯にあるいそかみ綾麻呂あやまろの任地。約二ヶ月後の七月初旬。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
と、私は口のうちで、いそかみ露子の詩をうたって見ていた。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
また鳥取ととりの河上の宮にましまして、横刀たち仟口ちぢを作らしめたまひき。こをいそかみの神宮に納めまつる。すなはちその宮にましまして、河上部を定めたまひき
いそかみ綾麻呂あやまろ
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
御子のアナホの御子(安康天皇)、いそかみの穴穗の宮においでになつて天下をお治めなさいました。
袁祁の王の兄、意富祁おほけの王いそかみの廣高の宮にましまして、天の下治らしめしき。
御子穴穗あなほの御子いそかみの穴穗の宮にましまして天の下治らしめしき。