短刀どす)” の例文
喚いたと思うと、掴まれた腕をぱっと振放す、不意をくらって乙松の体が傾く、隙、三次は右手にぎらりと短刀どすを抜いた。
暗がりの乙松 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
行こうよ、さ、行こうよって、まるで咽喉もとへ短刀どすでも突附けそうな剣幕だ。ああいいとも、じゃ行こうってわけでね、早速連れだって出掛けた。
(新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それはうございました。「するとやっこさん苦しいものだから、こぶしでしっかりとこの通り短刀どすの柄を握ったのよ。「体の可い自殺でございますね。「そうよ。そこでおれが旨い事を案じついたて。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と懐に隠し持ったる短刀どすを引抜きましたから、新吉は「アレー」と逃げましたが、雨降あめふり揚句あげくで、ビショ/\頭まではねの上りますのに、うしろから新五郎はびっこを引きながら、ピョコ/\追駈おっかけまするが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)