いのしゝ)” の例文
と、前へのめるかと見た曲者は、これも恐ろしい腕利きで、クルリと立直つて、今度は正面からいのしゝ突きに、サツ、サツ、サツと突いて來たんださうで——
銭形平次捕物控:167 毒酒 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
怒鳴どなつた。うちてきありとて、ぐにいのしゝごと飛込とびこまないのが、しかし色男いろをとこ身上しんしやうであるとおもへ。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
舁「やい女郎めろう、静かにしろ、もう後へくも先へ往くもねえ、此処こゝは道が違わい、二居ふたいみねの裏手の方だ、いのしゝおおかみほか人の来る処じゃアえや、これから貴様を新潟あたりへばらすのだぞ」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)