煮出にだ)” の例文
梅干の餡は梅干の酸味すみをよく煮出にだしてそのつゆへ少しお酒を加えてくずを溶き込んでドロドロにしたのです。梅餡は何にかけても美味おいしゅうございます
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
これをかゆとしまた鰹節かつぶし煮出にだしてもちうれば大に裨益ひえきあればとて、即時そくじしもべせておくられたるなど、余は感泣かんきゅうくことあたわず、涕涙ているいしばしばうるおしたり。
昼間でも、太陽を忘れているような、生気せいきのない膳部番や、料理人や、老いたるお賄頭まかないがしらが、十年一日の如く、昆布こぶ煮出にだじるのにおいの中に住んでいる。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは、紫紺という桔梗ききょうによくた草のを、はい煮出にだしてめるのです。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
沸立にたたせて鰹節かつぶしを沢山入れて煮出にだしを取ってそれへ味淋を一合に醤油おしたじを一合ですからつまり三等分ですね。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)