あた)” の例文
チベットでは酒をあたためて飲むということは全くない。で前に言いました通り茶と酒は終日終夜絶間なく飲むのです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
かり着替きかへぬれ着類きるゐ竿さをに掛け再び圍爐裡ゐろりはたへ來りてあたれば二日二夜のくるしみに心身しんしんともつかれし上今十分に食事しよくじを成して火にあたゝまりし事なれば自然しぜん眠氣ねふけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
屹度きっと曾祖母おおばあさんは、炬燵こたつあたって、眼鏡を懸けて、本でも見ていたんで御座ございましょうね。
「ああしんど」 (新字新仮名) / 池田蕉園(著)
比丘「寒いから遠慮なしに粗朶そだをくべておあたりなさい、何も御馳走はないから」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「頭、あたんなさい、」とへッついうしろから皺嗄しわがれた声を懸ける。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おさへたりと云ふに左京は是をきいて大いにいぶかり我々は大雪を踏分ふみわけさむさをいとはずふもとへ出てあみはつても骨折損ほねをりぞんして歸へりしに貴殿は内に居てあたり乍ら千兩程の大鳥を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
のべければ先々ゆるりと安座あんざして火にあたり給へといふ吉兵衞は世にも有難ありがたく思ひ火にあたれば今まで氷たる衣類いるゐの雪もとけかみよりはしづくしたゝり衣服はしぼるが如くなればかの男もこれを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)