“滅(へ)” の例文
驚きながら四辺(あたり)を見ますと、結構な木口(きぐち)の新築で、自分の姿(なり)を見ると、単物(ひとえもの)の染(そめ)っ返しを着て、前歯の滅(へ)りました下駄を穿(は)き、腰に穢(きたな)い手拭(てぬぐい)を下げて、頭髪(あたま)は蓬々(ぼう/\)として
これは夜になるとこの店の出入が烈しいために、自然と磨(す)り滅(へ)ってこんな事になるので、改良したらよかろうと思うが、嘗(かつ)て一度もこの赤煉瓦が取り除かれたためしがない。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)