“湯治場”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とうじば82.4%
たうぢば17.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「えい、そうそうごく近所にありました。しかし私共の近所には、湯治場とうじばがあるので、よく田舎者共が宿をとります」
娘が一人で湯治場とうじばへ来るなんて、そんなことができる筈はないじゃないか、ばかな空想をするな、と彼は思った。
女は同じ物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
云はぬが花と実入みいりのよい大尽客だいじんきやく引掛ひつかけに、旅に出るのもありやうは、亭主の為めと夕暮の、涼風すずかぜ慕ふ夏場をかけ、湯治場たうぢば近き小田原をだはらで、宿場稼しゆくばかせぎの旅芸者、知らぬ土地故ゆゑ応頼おうらい
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
陽氣やうきで、障子しやうじ開放あけはなしたなかには、毛氈まうせんえれば、緞通だんつうえる。屏風びやうぶ繪屏風ゑびやうぶ衣桁いかう衝立ついたて——おかるりさうな階子はしごもある。手拭てぬぐひ浴衣ゆかた欄干てすりけたは、湯治場たうぢばのおさだまり。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)