流山ながれやま)” の例文
只今の川蒸汽かわじょうきとは違い、らちが明きません。市川、流山ながれやま野田のだ宝珠花ほうしゅばなと、船を附けて、関宿せきやどへまいり、船を止めました。
先ず香取かとり鹿島かしま及び息栖いきすの三社、それに流山ながれやま在の諏訪すわの宮、常陸は阿波村の大杉明神、立木村たつきむら蛟𧍑みずち神社、それ等の神々に詣で、身も心も二つながら清めて、霊剣一通り振り納め
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
渋江氏の一行は本所二つ目橋のほとりから高瀬舟たかせぶねに乗って、竪川たてかわがせ、中川なかがわより利根川とねがわで、流山ながれやま柴又しばまた等を経て小山おやまいた。江戸をることわずかに二十一里の路に五日をついやした。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
アンポンタンは成長するにしたがい家内いえのなかの異端者としてみられていたから、どうする事も出来ないで、抱えの時分、流山ながれやまみりん瓶入の贈物つかいものをもってくる彼女の背中を目で撫ていたが
名主どんも有る村だから、名主どんへ届けて、お役人さまの手を借りてお探しなせえって、それから毎日めえにち松戸流山ながれやまから小金こがねぱらまで探しちゃアけえって来て、知んねえっては泣くだよ
あの伊勢茂いせもさんへ、番頭さんに言付けられてお使にいったら、伊勢茂の番頭さんは誠に親切な人で、お前は酒を飲まないから味淋みりんがいゝ、丁度流山ながれやまので甘いからおあがりでないかと云われて
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と此の勘次と云う奴は流山ながれやま無宿むしゅく悪漢わるいやつでございますから
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)