“水盃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みずさかずき71.4%
みづさかづき28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どうせうちを出る時に、水盃みずさかずきは済まして来たんだから、覚悟はとうからきめてるようなものの、いざとなって見ると、こんな所で弁慶べんけい立往生たちおうじょうは御免こうむりたいからね。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それがために、その前夜はかたきの方を眠らせないとか、あるいは水盃みずさかずきに毒を入れて飲ませるとか、種々の臆説を伝える者もあるが、そんなことはしなかったに相違ない。
かたき討雑感 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
清方といふ人は江戸ツ子によくあるひどい郷土自慢で、たまに病気にでもかゝつて、箱根辺へ保養に出掛けなければならぬ折には、家族と水盃みづさかづきも仕兼ねない程の旅行嫌ひで
彼は人の為に酒をたすくるにならひし手も、などや今宵の恋の命も、はかなき夢か、うたかたの水盃みづさかづきのみづからに、酌取らんとは想の外の外なりしを、うたにも似たる身の上かなと、そぞろせまる胸の内
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)