水盃みづさかづき)” の例文
清方といふ人は江戸ツ子によくあるひどい郷土自慢で、たまに病気にでもかゝつて、箱根辺へ保養に出掛けなければならぬ折には、家族と水盃みづさかづきも仕兼ねない程の旅行嫌ひで
彼は人の為に酒をたすくるにならひし手も、などや今宵の恋の命も、はかなき夢か、うたかたの水盃みづさかづきのみづからに、酌取らんとは想の外の外なりしを、うたにも似たる身の上かなと、そぞろせまる胸の内
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)