民衆みんしゅう)” の例文
江戸えど民衆みんしゅうは、去年きょねん吉原よしわら大火たいかよりも、さらおおきな失望しつぼうふちしずんだが、なかにも手中しゅちゅうたまうばわれたような、かなしみのどんぞこんだのは
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
世界中せかいじゅう人々ひとびとがみなおたがいあいしあい、そして力強ちからづよきてゆくこと、それがかれ理想りそうであり、そしてかれはいつも平和へいわ自由じゆう民衆みんしゅうとの味方みかたであります。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
いいかげんな約束やくそくをして、民衆みんしゅうだいにし、ただ当選とうせんすれば、いいとしたのだ。そして、いよいよ権力けんりょくつと、自分じぶんたちの都合つごうばかりかんがえて、大衆たいしゅうてられてきたのだ。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いまこそは何人なんぴとでもあれ、自我じが名利みょうりをすて、のため、あわれな民衆みんしゅうのために、野心やしんの群雄とならず、領土慾りょうどよくに割拠しない、まことの武士もののふがあらわれなければならないときだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)